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最後の夜行急行「はまなす」乗車記

2018.04.25 22:37|北海道

2015年現在、日本の鉄道で夜行急行列車が何種類走っているか、皆さんはご存知でしょうか?



答えは1種類だけです。

その最後の夜行急行「はまなす」に乗ってきました。



「はまなす」は、札幌~青森間を一日一往復している夜行列車で、2015年現在、定期運行されている唯一の急行列車です。

そして2016年3月をもって、廃止されます。

北海道新幹線の開業に伴ってカシオペアとはまなすが廃止されるというニュースは鉄道界に大きな衝撃を与えました。

衝撃なんてもんじゃないです。激震です。絶望です。

廃止に対する怨嗟と抗議を書き出すとキリが無いのでそれはまたの機会に譲るとして、今回はその夜行急行はまなすに乗ってきた記録を書きます。







2015年7月27日 21:00 札幌駅






また札幌にやってきました。去年と今年で実に4回目の北海道。
2014年夏の北海道一周旅行ではこれが最後の北海道になるかと覚悟していたんですが、仕事の都合や何やらでこんなことに。人生とは分からないものです。

でははまなすの寝台券を握り締めて改札を通ります。もう寝台券などというものはそう簡単に拝めなくなってしまいました。



こちらがその寝台券。
ちなみにこれは地元京都の駅で購入したのですが駅員さんが

「えっ、寝台券!?」

みたいなリアクションをしたのが印象的でした。まあ若い駅員なら寝台券なんて見たこともないかもね。


ちなみに北海道&東日本パスは急行列車の乗車券として扱うことが出来るので寝台券・急行券だけを別途購入しています。
この辺の特例は青春18きっぷより北海道・&東日本パスが便利な9つの理由にまとめてあります。





もうこの案内表示だけでお腹いっぱい状態。EXPRESSの表示は非常に貴重です。



はまなすが発着する札幌駅4番線へ。

ホームには停車位置が書かれた札が下げられています。



普段は混雑する札幌駅も、さすがにこの時間は閑散としています。


そして21時48分。ついにはまなすが入線してきました。





この青いディーゼル機関車を見るだけで興奮が収まりません。
なんだか震えてきました。



この急行の表示も、もうすぐ見られなくなります。
ブルートレインの流れをくむ青いはまなすのボディーに、青と赤の文字。いいじゃないですか。



ちなみに今回の乗車ではB寝台車に乗車します。えらく贅沢をしやがってと言われそうですが、やはり夜行列車と言えば寝台車にのってナンボでしょう!



歴史の流れで消えゆくはまなすですが、威厳と誇りを感じるマークです。

では震えながら乗車します。



B寝台車の通路です。コンパートメント的な空間ですが仕切りは無く、開放されています。

通路自体はかなり狭く、大人だとすれ違うのも困難な狭さ。でもこの狭さがいいんですよね。



私の居住スペースはこちら。

これが一つの単位。上下の二段ベッドが2つで計4人収容できます。今回は運よく下段を入手することが出来ました。



上段はこんな感じ。上がるのはちょっと大変そう。
子どもは喜びそうですが、窓からの景色が見えないので上段は微妙なんですよね。



こちらは指定席車両。はまなすは全車が車寝台ではなく、普通の座席の車両も連結されています。
指定券は格安で入手できますが、普通の席で1晩明かすのは避けたい。



再び寝台車の通路。通路には格納式のイスが取り付けられていて、イスに座ってのんびり外を見ることが出来ます。
なお通路を歩く人にとってはかなり邪魔。

さて車内を探検しているとあっという間に発車の時間です。




札幌→青森




22:00 札幌 発 JR函館本線 急行はまなす(青森行き)

発車すると、車内を探検する子どものような人(私を含む)以外は部屋にこもって、就寝の準備に入ります。なのであまり歩き回るわけにもいきません。

乗車率は60%といったところ。コンパートメントが丸ごと空き、というのも何個か見つけました。
利用層としては、家族連れが多かったですね。小学生ぐらいの女の子も数人見ました。寝台車に乗れるなんて貴重な経験でしょうね。うらやましいです。

あとはカップルで利用しているのを1組だけ見ました。寝台車で旅行するカップルって微笑ましくて好ましいです。



カーテンを閉めるとこんな感じ。一人分の空間は狭いですが、圧迫感を感じるほどではありません。むしろ私は狭いところが好きな人間なので、かえって落ち着きます。



ベッドには小さな照明(読書灯?)がついていますので読書も出来ます。

でも一番オススメしたいのは、真っ暗にして、カーテンの隙間から外の景色を眺めること

普通、夜間の列車からは外の景色は見えません。それは車内が明るすぎるから。
一方寝台列車の場合は消灯されるため室内から外の様子がはっきり見えるのです。

車窓から見える夜の景色は本当に美しいです。

仄かな明かりに照らされる工場群や民家…。
月明かりに照らされる草原、海、牧場…。
音はレールの「かたん、かたん」という優しい音だけ。

語彙力のない私では表現できない、独特の雰囲気が夜行列車にはあります。車窓はどれだけ眺めても飽きません。

私ははまなすの車窓から、水平線に沈む月を見ました。
月の光が海の上を走って、こちらに伸びていました。

この世のものとは思えない、非常に幻想的な情景でした。




2015年7月28日 3:00 函館駅




外の景色を眺めてうつらうつらという至福の時間を過ごしていましたが、函館駅に到着。停車した時の揺れで我に返りました。





人生初の函館です。函館という響きだけでテンションが急上昇。
今でこそ函館はお手軽に訪れることの出来る地になりましたが、かつては東北本線を一路北へ、さらに青函連絡船でようやくたどり着ける遠い土地だったのです。

函館駅では機関車の付け替え作業に伴い、20~30分程度の停車が行われます。もちろん列車や駅の外に出ることも出来ます。
せっかくの機会なので外に出てみましょう。





立派な通路です。
函館駅のホームは頭端式ホームなのでこのような長い1本の通路が伸びている格好。



函館駅の外観。寝台列車が走っているので夜でも改札は開いていますし、駅員さんも勤務しています。ご苦労なことです。

夜なので回りの様子はうかがい知れませんが、昼に来るときっと違った印象を持つのでしょう。



ついでにはまなすの内部の探検を再開しましょう。
まずは寛いだ犬の姿が描かれたのびのびカーペットカーに来てみました。



のびのびカーペットカーは寝台車よりもはるかに安い料金で横になれることから人気だそうですが、私的にはこういう雑魚寝には抵抗があります。

というか、絶対に寝台車をオススメします。
移動手段としてではなく、はまなすそのものを目的としている人には寝台車を強くオススメします。こんなところでお金をケチるのは勿体ない。機会損失の極みです。

青森-札幌間を夜の間に移動できる手段として利用している人にとってはどうでもいい話なのかもしれませんが…。



レトロな談話スペースも完備。
気の置けない仲間とこんなとこでのんびり出来たら最高でしょうね。

…いや、むしろこういうスペースは一人旅で物思いに耽るほうが理想的な使い方なのかもね。



先ほども言いましたが、はまなすが函館駅で停車を行う目的の一つに気動車の付け替えがあります。

ここからは写真の赤い車体のED79形電気機関車の出番。青函トンネルの走行に特化した機関車です。


そう、今更ですが先頭車は機関車です。我々が乗っているのは客車。つまりエンジンはついていません。機関車によって引っ張られているのです。

今では客車での旅客輸送も本当に珍しいものになりましたね。客車は電車やディーゼル車と違って、モーターの駆動音が一切聞こえないので、かなり静かなのです。
レールの音だけが静かに聞こえてきて静かな夜の旅を楽しめます。

3:22 函館 発

進行方向が変わって本州・青森へ向けて出発します。

さすがにそろそろ眠らないと明日以降に差し支えます。本当にこの時間を一秒でも長く味わいたくて眠りたく無いんですが、仕方なく就寝しました。


そして起床すると





気がついたら本州に上陸していました。青森県のどこかです。

朝起きて外を見ると、見知らぬ地を走っている。

これはたまらない感覚ですよ。感触と言っても良いです。得も言われぬ趣があります。しかも海が見える。最高の気分じゃないですか。


しかしこの旅も、あっという間に終わりのときがやってきました。



定刻 5:39 青森 着



ここまで連れて来てくれたはまなすと、青い森鉄道の車両を一緒に。




以上で夜行急行はまなすの乗車記はおしまいです。

本当に素晴らしい時間を過ごすことが出来たと確信しています。
料金は寝台車でおよそ8,000円と少々お高いですが、そのお金を払う価値は間違いなくあります。

はまなすが廃止されることを考えるだけで胸が痛みます。

事ここまで至れば、有終の美を飾ってその一生を無事に終えてもらうことを願うのみです。

2015夏の北海道旅行4日目へ続く


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旅行・写真・鉄道・読書など。アウトドア派になりたいインドア派。
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